(徳間文庫)★★★★★
映画「ウッジョブ」の原作「神去なあなあ日常」の続編。
横浜出身の青年平野勇気が、三重県の山奥にある神去村で
林業を通じて成長していく物語。
暗いニュース、ドラマ、小説が多い中、
三浦しをんさんの作品は温かい作品が多く、
この「神去なあなあ夜話」もほのぼのとした家族愛が描かれています。
読後、実際に登場人物に会いたくなります。
神去村の起源、恋愛話、過去の事故などいろいろな話が出てきますが、
私はクリスマスを知らずに小学生になった山太くんのために、
みんなでクリスマスパーティーを企画する話が気に入りました。
そして勇気くんの最後の方の言葉に、三浦さんのメッセージが込められていると感じました。
「この村のひとたちは、百年後を見据えて山に木を植えつづけ、
先祖が植えた木を切りつづけて、生きてきた。
自分が死んでも、あとを生きるひとが幸せでありますようにと祈って、
神去村のひとたちは山の手入れをしつづける。
その信頼こそが、愛ってやつじゃないのかな。」
神去村シリーズの第3弾も書いてもらいたいです。