村田沙耶香「コンビニ人間」

(文藝春秋)★★★★

先日芥川賞を受賞した作品。

主人公の恵子は36歳で、大学卒業後コンビニでバイトし続けて18年。

社会に対して不平不満ばかり言って仕事をしない男、白羽と出会い、

コンビニを辞めるが、やはり自分にはコンビニしかないと気付くという話。

私の娘が恵子のようになってしまったら困るなあと思って読み始めましたが、

読み進めていくうち、恵子はコンビニの売り上げを上げるために、

いろいろ工夫しているし、素晴らしい究極のコンビニ人間なのではないかと

思えてきました。

かなり変わった人ですが、こういう人がコンビニを経営したらうまくいくのでは

ないかなとか。

白羽は上から目線で回りを見下す最低の男ですが、

「現代は縄文時代と同じ。ムラにとって貢献するオスとメス以外は不必要な存在。」

という発言など、未婚で正社員でない人に対する社会の風当たりを、

作者は代弁させているのでしょう。

普通とは何か、幸せな人間の生き方とは何か、

考えさせられる小説です。

 

 

 

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