(ヤマハミュージックメディア)★★★★
11月14日にキーシンのピアノリサイタルを聴きに行った時に、
キーシンが自伝を書いているのを知り、
早速読んでみました。
生い立ちから現在まで、国籍をロシア→イギリス→イスラエルに変えた理由、
出会った演奏家や作曲家についてなどさまざまなことが書かれてあります。
私はどうしたらあのような素晴らしい演奏ができるのか、
その秘訣が知りたかったので、そのことに関しては次のように書かれてありました。
「私は楽曲を理解しようとする時、その楽曲の表現を乱さず、よどみや継ぎ目や余分な装飾を消し去り、
その楽曲の本質を響かせる演奏をする。作曲家がfやpの指示をたくさん書き込んだなら、
それは曲が単調にならないように演奏する、手の力とさまざまな音の響きとのバランスに注意した方が
よい、同一のルバートは避けるなどの意味をくみ取ることができる。
聴く人の感情に最大限に働きかける音楽を生み出すために知性を使う。」
「練習量が多ければ多いほど、ステージでより落ち着いてより自信に満ちた演奏ができる。
コンサート前の動揺や不安に打ち勝つには、十分に準備すること、
最初から、それもステージに上がる前から音楽に没頭することが大事である。」
全て納得できることばかりで、できる限り私も見習いたいと思いました。