(幻冬舎)★★★★
蜜蜂と遠雷のスピンオフの短編が6つ載っています。
亜矢・マサル・塵の墓参り、ナサニエルと三枝子の馴れ初め、課題曲「春の修羅」の背景、
マサルとナサニエルの師弟関係、奏とヴィオラの出会い、ホフマンと塵の出会い、の6つです。
昨年「蜜蜂と遠雷」の映画を観ましたので、その映画の出演者の姿が浮かび、
温かくてほっこりした話ばかりです。
さすが恩田さんという感じの文章ですが、もっとボリュームがあると良かったし、
コンクール前の話が4つと後の話が2つで、私はもっと後の話が読みたいと思いました。
ピアノを演奏するシーンやコンテスターの心の葛藤がなく、人間関係が話の中心で、
蜜蜂と遠雷のような音楽小説を期待すると残念に感じるかもしれません。